もめのめも書き

日常のエッセイ、仕事の記録など。

意志ある選択の積み重ね。

転職をした。初日から数日、通勤までのお供は、「おとなの進路教室。」(山田ズーニー)。新たな日々へのはなむけに、と友人からもらったもの。これが今のタイミングにすごく良かった。働くということにまつわる様々な問いに、自分の考えを引き出すきっかけをくれるようなコラム集。

 

 

私にとって今回の転職は、人生の忘れ物を取りに行くような感覚がある。コラムの中で、「お金、恋愛など、経験さえすれば『こんなものか』と幻想が取れる」と書いていた。私の場合、会社で働くということを十分にしてこなかった。逆に、田舎移住、結婚、起業(私が主導したわけではないけど)あたりは、経験済み。

 

自分にとっては、真新しい場。あたかも私は、糊の効いた新品の蚊帳ふきん。しかしまあ、35年生きてきた中で、糊が取れるまではぎこちないが、時期に馴染むことを経験として知っている。何度も、何度も、何度も…懸命に調えた場を住み替えるという経験は、それはそれは身に堪えたけど、何度もすれば血となり肉となっている。

 

だけど、振り返ってみたら「転職」というより「初めての就職」というぐらい、あまりにもフリーダムに生きてきたから、ズーニー氏の本が、チューニングの手助けとなった。「仕事は勉強ではない」という話や、「後ろに回らず打って出ろ、新人」という話が特に。

 

今回の転職という選択の裏に、娘を育てるという選択があった。紆余曲折いろいろあった。それに伴う仕事の再選択。再選択をする上で、改めて自分がなぜ今、バツイチなんだっけ、と問うた。自分の人生を生きたかったのではないのか、と。結果、私の2つの選択は、乖離した。働く場として私を引き受けてくれた会社は、住まいから遠方。2つの選択を、身一つでは実現できず、母の全面協力でスタートを切った。

 

別の長い付き合いの友人に、近況を結論だけ簡潔に伝えると、「いろんな選択の積み重ねがあったと想像できるわ」とコメントをくれた。ズーニー氏の本に、「意志ある選択が人生をつくる」とあった。先がどうなるとか、そういうことが重要ではなく、「考える」ことが「意志」となり、それが「人生」をつくっていくと。

 

 

他にも、響いたトピックを挙げておく。

自己実現難民探すのは「自分」ではなく、社会に出る「道」という話

・「33歳病」は自分が突き抜けていく胎動という話

・何者になりたくてもがいているトホホな時期に、人生で一番友達が多くできた話

興味ある人は、ぜひ読んでみて。

 

おとなの進路教室。 (河出文庫)

おとなの進路教室。 (河出文庫)