もめのめも書き

日常のエッセイ、仕事の記録など。

約束が出来ない。

「無事にこの日を迎えられた。」

 

誰かと何かの約束をする時は、毎度祈るような気持ちで、気合いを入れる。その日を迎えることが出来たら、それだけでほとんど予定が遂行されたみたいに安堵する。

 


忙しい友人と仕事の休みを調整して旅行の予定を立てるとか、遠距離の恋人と月に一度だけ会う約束をしているとか、子どもの預け先を手配してママ友で久々に羽を伸ばすとか、気合いを入れて担当したイベント開催日とか。ケースは様々、各々あるだろう。

 


細心の注意を払っても、どうにもならない気配が、あちらこちらに漂っている。

 


祈りに加え、諦められる準備も少しだけ、心の片隅に、忍ばすようになった。

 


約束なんかしなくても手を伸ばせばあるように、大切なものをなるべくひとつの場所に納め、耕し、徒歩圏内の会話で、食料も幸せも手に入れることが出来ていたあの頃の私が、勝ち組の顔してこちらを向き、嘲笑ってますか。

 


すっぽり納まり、まっとうな姿で在れる日を死ぬまでには、と未だ憧れ直すけど、歪な人生の狭間で、生まれ出づる美の存在を信じて、鼓舞して、踏ん張りたい。つり革を掴むのをやや抵抗して、足の裏と腹の力で支え、電車に揺られている今のように。

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