もめのめも書き

日常のエッセイ、仕事の記録など。

懐かしいとんかつ屋。

ある日、不足していた急ぎの品を買いに、google mapを頼りにあまり行かない道を歩いてた。

朝からまともに食事をしていなかったので、ついでに夕食を済ませられる店を道すがら眼力にてサーチ。

 

目に入ったのは、懐かしいとんかつ屋。高校時代、女子バレーボール部の仲間とよく行っていた店だ。白ご飯と何かおかずを食べたくて堪らなかったので、丁度良かった。店内に入って懐かしさは薄らぎ、新鮮さがあった。「よく行っていた」感じはなかった。

 

女子バレーボール部では、部員ではなくマネージャーだった。私はもともと男子バレーボール部のマネージャーだったのだが、高2の途中くらいの時、部員がほぼ全員辞めてしまった。男子バレーボール部にマネージャーだけいても仕方なくなったので、女子バレーボール部から声を掛けてもらったのだった。この店は、同学年の部員たちの試合前の縁起担ぎの場所だった。彼女たちにとって「よく行っていた場所」であって、途中からジョインした私が行ったのは、もしかすると一度程度かもしれない。

 

今思うと、高校からその店は結構離れている。高校生の徒歩での行動範囲って結構広い。バスや電車に真新しいランドセルを背負った小学生が一人で乗っている姿を見かける度に、「一人ですごいなあ」って思うことがよくある。高校生の私たちもよく歩いていた。大人になった私は、若い子たちも、昔の自分も、そしてこれからの自分の可能性も、見くびってしまっているのかもしれない。

 

牡蠣フライとトンカツ、どちらにするか悩んでいたら、どちらも食べられるセットがあった。私以外には「近所の馴染み」といった感じのおばちゃん2人。常連客のいる時の、一見客の存在って浮きがちだけれど、ここの店主のおじさん、とてもいい塩梅だった。馴染みには馴染みなりに、一見客の私にもいい具合に丁寧語で接客してくださる。馴れ馴れしくならず、親しみを感じる接客ってセンスだと思う。

 

店主以外にアルバイトの女の子がいた。高校生くらいだろうか。バイトを上がる時間らしく、店主が「何揚げる?」と聞き、女の子は「唐揚げでお願いします」と言っていた。持って帰るまかないだろうか。私が学生時代アルバイトをしていたお好み焼き屋での雰囲気と重なり、この点で懐かしさを感じた。よく店主のおじさんに「何焼く?」と聞かれ、「焼きそば」と答えていて、その時カウンター席には常連の夫婦なんかがいた。

 

お会計をすると、「今日はレディースデーなので」と言って、割引券をもらった。いいタイミングだった。

 

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